動物専用にゼロから設計している「こだわりの手術台」の開発について、今回開発チームにインタビューしました。素材や細かい技術的な部分まで製品開発への熱い想い、こだわりを是非ご覧ください。

東京メニックスの手術台の特徴を教えてください。

獣医科用手術台に関しては、人間用をアレンジして動物用にしたものが多い中、メニックスの手術台は動物に特化しています。人間の背中は平ですが、動物の背中は丸い。1kg未満の子猫から60kg以上の大型犬に対応しなくてはいけない。四肢関節の可動域の違いなど、人間との違いを踏まえた形状・機能が求められます。それらをシンプルに、余計なものを省いて形にしたのがメニックスの手術台です。結果的に軽量・小型でどなたでも使いやすい製品になりました。研究施設や獣医科学校での納入実績も数多くあります。

どうやって現場の声を反映しているんですか?

道具としての機能などは、ある程度想像して設計できます。しかし、それらを最終的な製品として仕上げていくには、現場で実際の手術に立ち会っての確認が必要になります。術前の麻酔から術後の処置までの間「この角が引っかかったな」とか「もうちょっと狭いほうがいいな」とか改良点を探します。手術中での不自然な動きは事故につながることがありますので、極力自然な動作で確実な操作ができるような形状であったり、位置であったり、とにかく細かいところを現場で確認します。

こだわったポイントを教えてください。

もちろん細かな部分まで全てこだわっているのですが、あえて一つ挙げるなら掃除のしやすさです。掃除ができないところや汚れが溜まるようなところは極力設けないようにしています。例えば、四肢保定のためのロープホルダーを着脱可能なレールレスにしたり、汚水受け部の蓋を簡単にとりはずせるようにしました。

開発で大変だった点は何でしょうか?

天板を傾けたり、水平に戻したりするための機構ですね。私はこのチルト機構部を「バイキングチルト」と呼んでいます。実は会社の近くに西武遊園地がありまして、そこの遊具の海賊船が左右に大きく揺れるアトラクションを見て「あ、これだ!」と思いつきました。何年も考え続けてきましたので、自分にとってもお宝を探し当てた感じでした。基本構造が決まれば、あとは水平ポジションを感覚で感じられる「水平リミット」や両サイドから操作できる「ダブルハンドル」のアイディアが次々と生まれました。以前の物と比べ、シンプルで壊れにくく操作感も向上しました。

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