Q: 病院のコンセプトは何ですか?
開業するなら自分の好きなことだけをやりたいという思いがあり、ウサギと皮膚科が好きなので、メインにしました。ウサギを専門とする病院は珍しいですが、エキゾチックアニマルの中では飼育数も多く、犬猫に比べて競合が少ないため、ちょうど良いバランスだと考えています。
Q: 以前どちらで働いていましたか?
開業前は千葉の動物病院で、約6年間働きました。また、東大阪の動物病院でも短期でアルバイトをしていました。
Q: ご開業されようと思ったきっかけは?
結婚が大きなきっかけです。いずれは事業継承か新規開業かどちらかで自分の病院を持ちたいと思っていましたが、大阪に戻るなら新規開業が良いと考えました。大阪で事業継承の話もありましたが、家族も賛成してくれたので新規で開業することにしました。
事業承継は 新規開業ほど費用がかからず、既存の患者さんがいるため、安定しているかもしれません。しかし、事業継承では自分の色に染めるまで時間がかかると感じています。その点では、新規開業して良かったと現時点では思っています。

Q: 開業までの準備期間はどれくらい?
元々事業継承の話があったり、工事期間が伸びたこともあり約1年半かかりました。
土地探しや医療機器の選定には約1年かかりました。土地探しは、地元をよく知る親族の協力のもと行い、新興住宅地で駅からも近く、今後人口増加が見込まれるため、この場所を選びました。
開業と結婚という二つの大きなイベントが重なったため、同時に進めるのは大変でした。そのため準備期間が少し長くなったのかもしれません。

Q: 医療機器の選定はどのように?
メインの医療機器は知り合いの業者に相談し、自分でもTwitterやインターネットで中古品を探し、一部の中古品はネットで見つけた医療機器販売会社から買いました。
Q: 医療機器を選ぶ上で、重要視している部分?
血液検査の機械は、以前使っていた製品を希望しましたが、ランニングコストが高いため断念しました。レントゲンは画質が良いものが欲しかったので、専門業者に新品の良いものを入れてもらいました。最もこだわったのは、使い慣れたウサギ用の歯科器具です。口を広げる道具は、通常まっすぐな先端ですが、抜けにくいように先端が曲がったものを特注で作ってもらいました。皮膚科の部屋には、患者さんが納得しやすいように、オトスコープで画面に状態を映せるものを導入して良かったです。その他のエコーや手術器具は、特にこだわりなく一般的なものを選びました。

Q: 開業時に、特に大変だったことは?
一番大変だったのは人事採用です。当初、常勤2名とパート1名を募集し、2ヶ月ほどで人数が集まりましたが、開業の約2週間前に常勤1名が急遽働けないことになりました。これが開業直前で、薬価表の入手や機器の搬入と重なり、病院内が未整理で薬の値段も決められない状況で非常に厳しかったです。幸い、残りの2名が非常に優秀で、彼女らに本当に助けられました。今後、人員を増やす必要も感じていますが、採用の難しさを痛感しています。これまでは診療だけを考えていればよかったですが、開業してからは経営や人事も考える必要があり、他の院長先生方のすごさを実感しています。
Q: 開業して良かったことはどのようなことですか?
ウサギと皮膚科をメインにしているため、約75%がウサギの患者で、次に多い犬の患者も約半分が皮膚科の症例です。これにより、自分の好きな分野をメインに仕事ができており、勤務医時代よりも仕事が楽しいと感じています。ただし、得意分野でも現状では対応できない難しい症例もあるため、今後はそういった症例もカバーできるよう更に勉強を続ける必要があると感じています。

Q:これから開業を予定されている先生にアドバイス
SNSをやっていて本当に良かったと思います。開業当初から患者さんが来てくれたのはTwitterのおかげです。フォロワーは3000人程度ですが、ウサギを飼っている人は周りに飼い主がいないため、ネット上で仲間を探す傾向があります。ウサギの飼い主は横のつながりが強く、病院に行った感想を共有して広がることもあります。開業前からコツコツとSNSをやっておくことは集客の上で非常に重要です。

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